スクエアや角管、送り精度は成形製品の精度と品質に直接影響します。今回は角管の送り精度に影響を与える7つの要素をご紹介します。
(1) 送り装置の中心線とプレス機の中心線は同一線上に設定してください。直線になっていないと、巻き戻された素材が金型に送られる際に、金型に対して傾いてしまいます。金型内の材料ガイドや供給装置の側面ガイドは大きな抵抗となり、供給精度が大幅に低下します。
(2) コイルの振幅方向のリップル形状が小さく、コイル幅方向の長さ2000mm範囲での波の膨らみが2mm以下であること。板厚が厚くなると膨らみも大きくなります。ひどい場合には、長さ2000mmの範囲内で5mm以上の膨らみが発生する場合がありますので、角管材料を供給できません。
(3) 表面が非常に平滑なコイルに比べ、表面が粗い角形鋼板と送り装置のローラーとの摩擦係数が高いため、その分送り精度が向上します。なお、表面の粗い圧延鋼板は、冷間圧延伸長時に素材表面に微小な凹凸が形成されます。この粗い表面により圧延油が残留し、深絞りが容易になります。
(4) 給紙ローラを駆動するギヤのバックラッシが比較的小さく、給紙ローラを駆動するサーボモータは柔軟かつ適切な加減速が可能です。
(5) 油膜のうねりも角管の精度に影響します。圧延後、圧延油を長時間放置すると、圧延油が乾燥して固まり、材料送り時に送りローラーと滑り、送り精度が低下します。
(6) 非常に幅の広い材料からコイル状の材料をせん断する場合、せん断装置の精度と剛性により、せん断される材料の振幅には正と負の誤差が生じます。金型のガイドコラムを通過する際、材料が細すぎると隙間が生じて振れが発生し、送り精度が低下します。幅が広すぎると、金型のガイドコラムを通過する際に材料が圧縮変形してしまい、送り精度も著しく低下します。
(7) 角管、角管のコイル材はいずれも極幅の圧延鋼板から圧延されます。中間付近の精度は比較的良好です。幅方向の両端は徐々に薄くなり、厚みの精度が著しく悪くなります。このとき、幅精度が悪いコイル材も送り精度に影響を与えます。
投稿時間: 2022 年 12 月 2 日